スレート屋根の塗装時、雨水の排水経路を確保するためにタスペーサーの使用が推奨されることが多いですが、実際には使用しなくても問題ない場合もあります。スレートの隙間が4mm以上空いている場合、タスペーサーの効果は発揮されません。このような状況では、自然に隙間が確保されており、タスペーサーを挿入しても固定されずに落ちてしまうことがあります。
また、南向きで太陽熱を長時間受ける屋根面では、スレートが反り返り、自然に隙間ができることもあります。加えて、屋根の勾配が15度以下の緩やかな屋根や、スレートの形状によってもタスペーサーが必要ない場合があります。したがって、タスペーサーの設置を検討する際は、まず業者に診断を依頼し、自宅の屋根の状態に合わせた対策が重要です。
費用面についても注意が必要です。タスペーサーを使用することで縁切りの作業時間は短縮され、人件費が削減される可能性がありますが、使用するタスペーサー自体にはコストがかかります。特に、屋根面積が広い場合や多くのタスペーサーが必要となればコストが高くなることも考えられます。
そのため、タスペーサーの導入が本当に経済的かどうかを総合的に判断するには、見積書をしっかり確認することが大切です。業者と十分に相談し、屋根の状態や費用面を考慮した上で最適な選択を行いましょう。